トレミー、展望室。
ガンダムマイスター達が座り込んで何か話をしている。
かなり熱くなっているようだ。
一番
「だからっ、俺が一番だって言ってるだろ!?」
「ふっ。ロックオン・ストラトス、貴方は何も分かっていない」
「ハレルヤ、嫌になるね。僕が一番に決まっているのに。
……何言ってんだアレルヤ?俺が一番に決まってんだろ!」
「駄目だこいつら。早く何とかしないと。俺が一番だと気付いていないのは危険だ」
五時間前から四人で展望室を占拠し「自分が一番だ」と言い合っている。
食事もせず、ただひたすら言い合っている。
愛しい少女、の事を一番知っているのは自分で、自分が一番彼女に近い、と。
「あのな、俺はが毎朝何時に起きるかとか、そういう事まで知ってるんだぞ?」
どうだ、凄いだろう。
ロックオンは得意気に言った。
他の奴は知らないに決まっている。そう思って言ったのだが―――
「それくらいの事なら俺も知っていますよ。他にも知っている。スリーサイズや今日の下着の色など。
ヴェーダは何でも知っている。だから俺も何でも知っている」
「お前そんな事までっ……」
ロックオンはティエリアにアッサリと負けてしまった。
ヴェーダとリンク出来る者に勝てるはずもない。
と思いきや、アレルヤが首を振りながら割って入ってきた。
「目に見える情報ばかりなんだね。やっぱり一番はこの僕だ。
なんて言ったって僕は、僕は……その―――俺は空気の流れだけでが今どの辺にいるか分かるんだよ!
匂いだって嗅ぎわけられる!……な、なんてなぁっ!」
照れて言い出せなかったアレルヤに代わり、ハレルヤが胸を張って声を上げた。
が、皆の冷たい視線を受けて誤魔化しに走った。
皆が「こいつ変態だ」という目で自分を見ている。
そんな目で俺を見るな。
冗談だ、そう、冗談。
必死に誤魔化したが―――
「アレルヤ・ハプティズム、なんという気持ちの悪さだ!万死に値する!」
「なんて言うか、流石にマズくないか?」
ティエリアは怒り、ロックオンは何とも言えない視線を送ってくる。
しまいには―――
「誤魔化してももう遅い。お前は立派な変態だ」
ポンっ。
刹那に肩を叩かれ変態認定されてしまった。
ガンダムマイスターの中で一番の変態だ。
当然、穏やかではないハレルヤは怒りを露にする。
変態じゃねーよ!愛だ、愛!
そう声を荒げたが―――
「俺が……俺が一番だ……」
刹那は全くと言って良いほど聞いていない。
言い逃げだ。
置き去りだ。
「このガキっ……!」
刹那の態度にまた腹を立てたハレルヤ、ついに拳を振り上げた。
拳骨で修正してやる!
「おい待てアレ、じゃない、ハレルヤ!」
「あっ!またー!」
あまり人の事は言えないけれど、仲間に暴力は良くない!
焦ったロックオンがハレルヤを止めようとしたその時、良いタイミングで頬を膨らませたが現れた。
もうっ!というように脹れている。
「みんな直ぐにケンカするんだからー!んもうっ、アレーじゃなくて、ハレルヤ?
今、刹那をぶとうとしてたでしょっ!?虐めちゃ駄目って何度言ったら分かってくれるの!?」
「ちょ、待てよっ。刹那が―――」
「何あれ!?」
「あ、どうした?」
「あれ……」
あれって、何だ?
自分は悪くないと説明しようとしていたハレルヤは、の視線を追って後ろを振り返った。
ロックオンとティエリア、刹那も二人が見ている先を見る。
皆の瞳に映ったのは―――――
「、一日と二十時間ぶりですね」
「から離れろよ!この不完全な改造人間!」
トリニティ兄弟。
ヨハンはベッタリとガラスに張り付き、に向かって手を振ったりしている。
ミハエルはナイフをぶんぶん振り回しながらハレルヤにケンカを売っている。
「気持ちわりぃな!ってか、を呼び捨てにしやがって!馴れ馴れしいんだよ!」
「何やってんだあいつら!?」
「なんて薄気味悪い連中だ!万死に値する!」
「ストーカー……か?」
―――何だか騒がしいからまた揉めているに違いない。
そう思って収めに来たのに、余計に酷くなってしまった。
「なんでこうなるのかな」
は溜息をつくと、コッソリ展望室を離れた。
部屋で匿名希望さんから貰ったケーキでも食べよう。
それが一番だ。
―――地球―――
「宜しいのですか?アレハンドロ様」
「私は監視者だ。ただを画面越しに見つめているだけの男だ」
「……聞いてない」
きっと彼女は部屋で自分が贈ったケーキを食べるだろう。
後で監視カメラの録画テープを回収し、が可愛らしくケーキを食べている様子を見よう。
「私の一番の楽しみ……ふ」
―――ソルスタルビーイングのアイドルは今日も狙われている。
このお話はここまでです*><*/
拍手と、読んで下さった事に感謝いたします*^^*
ありがとうございますーっ*>∀<*
気まぐれ更新ばかりですが、これからも宜しくお願いいたします。
ではでは、失礼いたします。
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