深夜0時・あるビルの一室
月の光が射し込む部屋の中で、数日前にエスツェット本部から派遣されてきたシュヴァルツ新メンバー、は一人「仕事」をしていた。






Moonshine Dance







仕事開始から数十分後

「なんで私がこんなことっ」
はPCの電源を切りながら、苛立ちのこもった独り言を発した。
今回の仕事は今いるビルに忍び込み、鷹取の不利になるデータを破壊することだけ。
それで終了。
簡単すぎる仕事だ。何もシュヴァルツが出てきてやることはないのに。
あのモミアゲオヤジめっ。
自分への忠誠心を測っているつもりなのか?
考えれば考えるほど腸が煮えくり返る。
腹癒せにこのビル吹っ飛ばそう。そんな事を考えていると、
「止めておけ。後で仕事が増えるだけだ」
いつ来たのか、クロフォードがドアに寄りかかり立っていた。
相変わらず涼しい顔をしている。


月のような男
憎らしいくらい綺麗―――――


そんな事を思いながら、
「私がここを吹っ飛ばすビジョンが見えてわざわざ止めに来た?」
と言い、は少し微笑んだ。
その笑みは、暗殺者とは考えられないほど優しく美しい。


愛などというものは愚者達の生みだした幻。幻想だ。


普段そう思っているクロフォードでも、には心を揺さぶられる。
すべてを包み込むような感じが心地よい。
君の何もかも全てを手に入れたい。私だけのものにしたい。そう伝えたら、、君はどんな顔をする?
頭がどうかしてしまった、愚者の仲間入りをした。と笑うか?
ふん、私の予知力もこんな時は役立たず、か。


ドアに寄りかかったままクロフォードが考えこんでいると、
「どうかした?」
が声をかけてきた。心配そうな顔をしている。
クロフォードはハッと我にかえり、
「なんでもない」
と普段通りに返事をした。
するとは少し安心したように微笑み、
「そう、それならいいの。じゃあ帰りましょうか?」
と歩き出した。
一体何を考えていたのか、と考えている様子はない。
それが何故か少し腹立たしくて、クロフォードは自分の目の前を通り過ぎようとしたの腕を無意識に掴んだ。


「!?」


突然腕を掴まれ驚く
「っ、何?」
いったい何なのか?顔を上げると、
「!!!」
強い力で抱き寄せられ、唇を奪われた。
「っん!んんっ!」
突然のことに逃れようと必死にもがくが、男女の力の差、どうにもならない。
がもがく間も、クロフォードは何度も角度を変えて深く長く口付け、の抵抗心を少しずつ奪っていく。
「っ・・・ん・・・は、ん・・・」
数分もたつとは抵抗をやめ、大人しく受け入れるようになった。

もう大丈夫か・・・

そう思いクロフォードが唇を離すと、はトロンとした瞳で体を預けてきた。
感じやすいタイプなのか、腰が砕けてしまったようだ。
それを見たクロフォードはクスリと笑いを床に座らせると、
「思っていた以上の反応だな。せっかくだ、このまま最後までさせてもらうとしよう」
と上着を脱ぎネクタイに手をかけシャツを脱ぎ去ると、今度はの服を一枚ずつ丁寧に脱がせにかかった。
ブラウス、スカート、下着、体を覆っている物全てを取り除く。
は嫌だとは思わなかった。この男になら抱かれてもいい、と思っていた。
が、このままではくやしいと思い、
「突然襲い掛かるなんて、どうしたの?プロセス・・・は?」
と少し意地悪を言った。
すると、クロフォードは今まで見せたことのない優しい笑みを浮かべ、
「そんなことは考えられなかったな。無意識に体が動いた。
 君の事になると冷静に考えられないようだ・・・と言ったら信じるか?私だけのものにしたいと言ったら、笑うか?」
と聞きながら、の首筋に唇を這わせた。

この男がまさか―――

「っ・・・どうしちゃったの?貴方らしくないわね。でも・・・そうね、悪い気はしないわ」
冷静を装い言ったものの、は驚いていた。
クロフォードはファルファレロの次に愛などという感情とは縁遠いと思っていたから。
何かあったのだろうか?それとも、本当に私を?
体が熱くなるのを感じながら考えていたが、
「っ!」
クロフォードの唇が胸の頂に触れたとたん、体に電撃が走ったような感覚に襲われ全て飛んでしまった。
「はっ、あ・・・」
右の胸は舌を這わせられ、左の胸は指で突起を弄ばれている。
与えられる快楽に反応するしかできない。考える余裕などもうない。
「ぅんっ、クロ・・フォード・・・」
は既に潤いきっているであろう所への刺激が欲しくて、体をくねらせねだった。
するとねだられたクロフォードはクスっと笑い、
「触れて欲しいのか?ならば・・・」
と硬く張り詰めた自身をの前に出し、
「分かるな?」
と、意地悪く言った。
快楽が欲しいのなら快楽を与えてもらおう。ということだ。
クロフォードの自身は既に欲望の蜜で先端を光らせている。
はそれをウットリとした瞳で見つめると、そっと握り、先端に舌を這わせてからゆっくりと口に含んだ。
「くっ・・・」
何とも言えない感覚がクロフォードの体を駆け抜けた。
強く吸われたり舐められたり・・・
ちゅるちゅるっといういやらしい音と、荒い呼吸が静かな室内に響く。

数分後、そろそろが辛いだろうと思い、クロフォードは
「っ・・もういい。そろそろ褒美が欲しいころだろう?」
そう言ってを離れさせると、椅子に座らせ足を開かせた。
その姿は月明かりに照らされているせいか、神秘的に見える。
「クロフォード・・・そんなに見ないで。恥ずかしい・・・」
じっと見つめられているのに耐え切れなくなり、は瞳を潤ませた。
このままでは泣きそうだ。そう思ったクロフォードは、
「あまりに綺麗だったからつい、な」
と言うと、の足の間に入り込み、蜜で潤いきった果実に口付けた。
ぴちゃり・・・
という水音が室内に響く。
「い、ああっ・・」
胸を弄ばれた時とは比べ物にならないほどの快感に、の体が仰け反った。
ビクリ、ビクリと震える腰を抱え込み、クロフォードは果実を味わう。
「ひゃっ!やっ、あぁんっ」
はクロフォードの髪をくしゃりと掴み、必死に快楽に耐える。
だが、奥から湧き上がるものを堪えきることなどできない。
「あっ、あっ、ああっ・・・」
ビクビクっと震えながら腰を浮かせるに、そろそろ限界なのか。
と感じたクロフォードは、種をペロリと舐めると唇で挟み、吸い付いた。
すると、
「っはぁっっあああっっっ!!」
は今まで以上に大きく体を仰け反らせ、達してしまった。
そしてそのまま脱力し、荒く呼吸をし始める。
そんなに雄の本能を掻き立てられたクロフォードは、
「たてつづけだが、いいな?」
と言うと、返事を待たずに抱き上げ床に寝かせると、自身をの果実内部へと突きたてた。

「っ!やっ、あああああんっ!!」

まだ敏感になっているところに突き立てられ、は歓喜の声を抑えることができなかった。
「あっ、ん・・・」
・・・」
クロフォードは軽く唇に口付けを落とすと、腰を使い始めた。
「あっ、はんっ・・やぁっああっ」
クロフォードが奥まで突き立てるたびにの体が跳ねる。
月明かりの下踊っているようだ。
くちゅっ・・・ちゃぷっ・・・
響く水音はリズムを刻む。
「はあっ、ああんっ!っ・・・ぅっんっ」
「っ・・・はっ・・・」
互いをきつく抱きしめ、昇りつめてゆく。
「クロっ、フォードっ・・・もう・・・はっ」
が限界が近いと知らせると、クロフォードも
「っ・・・私ももう、持たないな・・・」
と、言い、腰の動きを早めた。

ちゅくっくちゅっちゃぷっ

水音の響きも速くなる。
「あんっ・・・だめっ、もうっ・・・あああっ!!」
激しく突き上げられ、はクロフォードの背に爪を立て達した。
「くぅっ・・・」
達したにきつく締め付けられたクロフォードも達し、の果実内部に白濁を注ぎ込んだ。









行為後、
服を整えながらはクロフォードに聞いた。
「ねぇ、これは、私とのことは、ただの排泄行為じゃないの?」
と。
ただの排泄行為だ。と言われたら少しショックだ。
前から多少は気になっていたから。
の少し不安を含む質問にクロフォードは、
「愚問だな。信用できんのか?」
と、眼鏡を光らせ答えた。
その答えには、本当は嬉しいと思う心を隠し、
「あまり信用できないわね、だって、貴方エスツェットの幹部連中を平気で騙すじゃない」
と言って笑った。
素直ではない乙女心。
信用できない。と言われたクロフォードは、いつもの不敵な笑みを浮かべると、
「ふっ。まぁ、そのうち信用できるようになる。愚者の仲間入りをしてしまった私を見ていれば、な」
と言い、の額に口付けを落とした。


愛を否定していた男は、愛というものを手に入れた。










お疲れ様でした。
何だか少し(いや、かなり)口調が違う気もしますが、クロフォード夢です。
はたしてご期待通りの作品なのかは自信ありませんが、込めた愛だけなら自信あります。
それでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。



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