UNO!(前編)





「今日も暇……」

ブツブツ言いながら艦内をウロウロと歩いている
愛機のチェックも終わり、今日の仕事はもうない。
暇だ。

「はぁっ、皆を誘ってやろうと思ったトランプは全部貸し出し中だし…ついてないの〜」



「UNOで良ければあるが?」



独り言全開で歩いていたら背後から声をかけられた。
驚いて振り返ると、柔らかそうな金髪を肩に垂らした青い瞳の少年が立っているではないか。
レイ・ザ・バレル。
いったいいつから張り付いていたのか?気になるが置いておく。

「レイっ。もう〜ビックリしたぁ〜っと、それより、UNOあるって本当?」
「ああ…」

本当だ。の返事に、は瞳を輝かせる。
嬉しい!皆で楽しく暇つぶしが出来る!
UNO・・・一時期物凄い勢いで流行ったカードゲーム。
有名だし、皆で楽しめるはずだ。

「UNO〜!ねねっ、早くやろう!皆でUNO大会〜!」

子供のようにはしゃいでいるが可愛い。
レイは、よしよし。との頭を撫で、UNOを取りに部屋へ行こうと言う。



二人でレイ&シンの部屋へ・・・



「んー、ヴィーノとヨウランは〜…」
「まだ仕事が残っているようだった」
「そかっ。MSだけじゃないもんね、整備。んーと、じゃあ、シンとルナマリアとメイリンを誘って、後は〜…アスハ代表?」
「…シンが怒り出す」
「怒る、か。んー、『さすが、Wild Draw Fourはアスハのお家芸だな!』とか言いだしそうだよね」
「ああ…SkipやReverseでも言うだろうな」



部屋へ向かいながら楽しくお喋り。
していると、前方からギルバート・デュランダル議長&タリア・グラディス艦長&アーサー・トライン副艦長が・・・。
とレイは立ち止まり、敬礼をする。

「おや?、楽しそうな顔をしているね?何かあるのかな?」

狙いのギルバート、どんなにビシっとした表情を見せても内の心を見抜く。
何で分かるんだろう…。
は不思議に思いながらも答える。

「はいっ、ゴ○ーさっいえ、議長。実は、UNO大会を開こうか…」
「UNO!」

UNO。にアーサー反応。
若かりし頃(今でも十分若い)流行ったカードゲームの名が出たのが嬉しくて、割り込んでしまった。
失態。

「アーサー…」

タリアにチラリと冷たい視線を向けられる。
ギルバートは優しく微笑んでいる。が、目は笑っていない。
の言葉を遮るんじゃない!というオーラが全身から出ている気がする。
何だか少し怖い。しばしの沈黙。
止まった時を動かせるのは・・・

「あの…」

やはり
困りきった表情を浮かべ、議長と上官二人を見る。
と、あら不思議。
凍てついていた空気が春の空気に変わった。



『なんと可愛らしいっ…(ギル』
『その可愛らしさは罪だ…(アーサー』
『妹に欲しいわね…(タリア』



皆のアイドル、
レイも少し微笑んでいる。
嫌な空気が消えたところで、ギルバートが「やはり」な一言。

、UNO大会を開くと言ったね?私も仲間に入れてもらえないだろうか?」

嫌とは言わないだろう?な言い方。
断れない。
まぁ、断る理由もないので返事はOK。
ついでに艦長と副長も誘うと、二人とも喜んで誘いを受けた。


「では、後ほど。失礼します」
「失礼します」


&レイはビシっと敬礼をし、場を去る。
議長&上官二人は笑顔で後姿を見送る。
約束は二時間後だ。





議長達と別れてから数分後、レイ&シンの部屋・・・



「ねっ、シンもやろー?」

はレイのベッドに腰掛け、シャワーから上がったばかりのシンをUNO大会に誘う。
暇なら参加して〜。
お願い攻撃をしてくる愛しい少女に、シンは首がもげる勢いで頷き返事を返す。
参加する、と。
は大喜び。参加者は多いほうが楽しいから。

「やった!ありがとっvよーし、後はルナマリアとメイリンねっ!」

シンの参加は決まった。
次はホーク姉妹。
は勢いよく立ち上がると、姉妹を探しに出て行った。


部屋に残ったレイ&シンは・・・


「…シン、何故俺のベッドに座っている?」
「いいだろ、別にっ。減るもんじゃなし」
「…………」
「なっ、なんだよ?」
「…退け」
「ぃって!何すんだよレイ!」


ベッドに残された微かな温もりを取り合っている。
微笑ましいような気持ちが悪いような・・・。



さて、は・・・



「んー、いないなぁ〜」

ルナマリア&メイリンを探して艦内をウロウロ。
探し回っていると・・・


「ぅきゃあっ!?」


突然目の前が真っ暗に。
背後から両目を塞がれたようだ。
驚いたはジタバタ暴れる。

「やだやだ放してーっ!」

必死でジタバタする。と、パッと再び光が戻った。
後ろを振り返れば、探していた人物が。

「っぅ〜!ルナぁーっ!」
「あははっ、ってば可愛い!あっ、ごめんって、怒らないでよ」
「もーっ!…ん、まぁ、いいや。あのねっ、もうすぐUNO大会やるんだけど、ルナもどう?」

一緒にやるよね?光線を出す
メイリンも一緒にさぁ!とピョンピョン跳ねながら誘う。
が、ルナマリアの返事は・・・

「UNO大会ねー…楽しそうだけど、私はパス。まだMSのチェック終わってないのよ」

ごめんなさい、だ。
仕事優先。

「そっか…うん…やる事あるんじゃ仕方ないよね。じゃ〜、メイリンは…」
「あの子はさっきブリッジにあがったばかり…本っ当、ごめんね」

ルナマリアはショボンとしているの頭を撫で、せっかく誘ってくれたのにごめん。と謝る。
参加したいが、MSをいつでも出せる状態にしておかなければ。
ルナマリア&メイリン、不参加決定。

ということで、UNO大会参加メンバーは・・・
:レイ:シン:ギルバート:タリア:アーサーの六人。
どうなるのか・・・





後編へ続く







前編と後編に分かれてしまった・・・予定外><。
だらだらと長くてすみません><。
ここまで読んで下さった方、感謝感謝*><* それでは・・・また、後編で。



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