あっという間に約束の時間5分前・・・
・レイ・シンの3人は、貸切にした(議長権限)レクリエーションブースで議長達が来るのを待っている。



UNO!(後編)



「あと5分か〜……あ、ねぇ、ふと思ったんだけど、やっぱ勝っちゃマズイのかな?
議長が上がってからじゃないと上がれないかな?先に上がったがために緑に降格とか…」
「そんな、ただのお遊びなんだし、気にすることないって」

議長より先に上がって怒られたらどうしよう。と言っているの頭を、
シンは「企業の接待ゴルフじゃあるまいし、大丈夫だって」などと言いながら撫でている。
・・・シャンプーの好い香り・・・
を独り占めにしているシンは幸せそう。
議長や艦長達が来るまでの間、ずっとこのままでいたい。と思うが、その願いは叶わない。
レイが飲み物を手に戻ってきたから。

「大丈夫だ。気を使う必要はない」

ムッとした顔を見せるシンをチラリと見た後、レイはに飲み物を手渡しながらストンと椅子に腰を下ろした。
もちろん隣に。

"レイ、くっつきすぎだぞ!"
"お前もな"

愛しい少女を挟み、視線をぶつけ合うレイ&シン。
睨めっこをしていると・・・


「あっ…」


が立ち上がった。
足音が聞こえる。


カツコツカツコツカツコツカツコツ・・・・・


何だか凄い速さの足音。通常(人)の三倍(速)っぽい。必死に追いかけていると思われる足音も聞こえる。
間違いなく議長達だ。
レイもシンも睨み合いを止めて立ち上がる。


立ち上がってから数秒後・・・
議長達がレクリエーションブースに入ってきた。


「やあ、待たせてしまったかな?」

言いながら議長・・・ギルバートはこれまた凄い速さで赤服3人の目の前までやって来た。
そしてお目当てである愛しい少女の頬をさらりと撫で、椅子に腰を下す。

「ぎっ、ぎちょ〜〜〜〜〜うっ!!///」

大人の妖しい魅力たっぷりなギルバートに突然頬を撫でられた、議事進行係ですか?な声を上げて固まってしまう。
見ていたタリアとアーサーは・・・
真っ赤になって固まっているに微笑み、ドサッと椅子に腰を下ろした。
議長に合わせて歩いたので疲れました。という顔をしている。
お疲れ様です。


して、またも放置されているレイ&シンは・・・

"くっ、ギル…"
"いくら長身で足が長いからって速すぎだろ…俺達の国の長は化け物かっ?!"

嫉妬心を必死で抑え、色々と考えながら黙って立っていた。
口には出せない、出せやしない。
ただただ黙って立っている。
これでは先に・・・とギルバートが思い始めたその時・・・


「っ…はじめましょうか」


タリアが口を開いた。さすが艦長。副長より先に回復した。
はじめましょうか。の言葉に、赤服3人もハッと我に返って動き出す。



UNO準備中・・・



カードを配りながら話し合った結果、3時間ぶっ通しUNO。特に何の問題も起こらないようだったら延長。
ルールはミネルバルール(ローカル)を採用することとなった。
後は―――

「ビリへの罰ゲームねぇ…(タリア」
「うーむ(ギル」
「罰ゲーム…3時間後、一番点数が低かったら…あぁ〜嫌な予感がするなぁ(アーサー」

罰ゲーム決め。
どんなモノが良いか話し合い。
シッペだのデコピンではつまらないし・・・と色々考え中。

「うーん…あっ、恥ずかしいポーズ!とかは…駄目ですか?(シン」
「マッチョポーズとか?(タリア」
「はい(シン」
「たしかに恥ずかしいけど、罰という罰ではないわね。もっと恥ずかしいものでないと罰とは言えないわ(タリア」
「うぅむ…(ギル」
「ん〜〜〜…恥ずかしいポーズ…恥ずかしい格好…(

もう面倒だから王道のデコピンで。という意見が出そうになった瞬間・・・



「ビキニを着てルナマリアのポーズをとる(レイ」



レイがサラリと恐ろしいことを言った。
皆の視線が金髪の少年に向けられる。

「レ、レイ…今…(
「ビキニを着てルナマリアの真似って…(シン」
「言っ…(アーサー」
「言ったわね(タリア」
「…恐ろしい罰だな(ギル」

ビキニを着て、カードなどでよく見られるルナマリアのポーズを真似する・・・

決定。

男性も女性も、議長も艦長も副長も赤服3人も、ビリならビキニでルナマリア。
負けられない。特に議長。いざ勝負。
順番は時計回り。
レイ・タリア・アーサー・ギルバート・シン・
まずは山札を一枚めくる。青の3。
レイは青の5を出す。次のタリアが出したのは、黄色の5。

「ええぇっ?!」

早速悲鳴が上がった。
アーサー、手札に同色・同数字がないようだ。
あ〜。などと言いながら山札に手を伸ばし、引いたカードを見てみると・・・

「おっ、運が良い!」

黄色のSkip。ホクホク顔で場に出す。
次、ギルバートを飛ばしてシン。問題なく黄色のカードを出す。
そして

「んーと…あ、あったv」

場に出されたのは、黄色のReverse。
逆周り。ということで、再びシン。出したのは黄色のSkip。
またも飛ばされるギルバート。

「うわっ…またか…」

アーサー、黄色を持っていないため再び山札から取るはめに。
出ろ出ろ黄色・・・。
祈りながら手にしたカードは赤。

「うわぁ…と、ん?おおーっ」

今日の副長はついている。
引いたカードは赤のSkip。遠慮なく出す。タリアを飛ばしてレイ。
赤の8を出す。次のは緑の8。

「緑…じゃあ…」

シンは緑のSkipを場に出した。
と、その瞬間、カードを出せないことにイラッときたのか、ギルバートが口を開いた。

「シン、少しいいかな?」
「なんでしょう?」
「さっきから君はSkipを出しすぎだと思うのだが…」

Skip出しすぎ…私の順番を飛ばしすぎだ。ということ。
別にルール違反ではない。問題はないのだが…始まってから一枚もカードを出せていない。
このままではビキニでルナマリアだ。それだけは避けたい。ので、チラッと大人気ない圧力。
シンは「申し訳ありません」としぶしぶ謝罪。
何も悪いことはしていないのに・・・。ちょっとふてくされ気味。
何だか納得いかない気持ちを抑え、UNO続行。

さくさくっと進み、再びシンの番。

「えーっと…」

ヤバイ。出せるカードは青のSkipしかない。
出しすぎと言われたばかりで出したりしたら…。

「シ、シン?」

ああ、きっとSkipしか出せるカードがないんだ。
は心配そうにシンを見つめる。他の者は静かに待っている。
追い詰められたシンは・・・仕方なく山札に手を伸ばす。そうして引いたカードはWild Draw Four。

"げっ"

普通なら嬉しいカードなのだが・・・出せば最高評議会議長にカードを4枚引かせることになる。
困った。SkipとDraw Four、どちらを選ぶ?
ローカルルール、出せるものが出るまで引き続けることも可能。
だが、もし1〜2枚で出てこなかったら・・・
シンの脳裏に、ビキニ姿でルナマリアポーズをとる自分の姿が浮かんだ。

"ちくしょーっ!"

もうやけだ。出してしまえ、Wild Draw Four。
スッとカードを出し、赤。と色を指定。

「…………」

沈黙。
怒っているのか?そっと顔をギルバートに向けると・・・

「…シン…」
「はい…」

穏やかな口調で話しかけられた。
良かった。怒ってない。少しホッと・・・したのは束の間。

「Draw Fourは色指定の他に、次の者にカードを4枚引かせることが出来るカードだ。が、使えるのは出せるカードが手札にない時のみ。
…もし、出せるカードがあるのに使ったら…偽って使用したのだとしたら…
その時はカードを出した君が4枚のカードを山札から引く…という事になるね?シン・アスカ君」

何か言いたげな目をしているギルバート。

「…チャレンジってことですか?」
「うむ」

シンは暴れたくなった。
何なんだよアンタはぁっ!と叫べたら、どんなに気持ちが良いだろう。
叫びたい!が、許されない。しぶしぶ手札を見せた。
結果、ギルバートはSkipされ、シンは4枚のカードを取るはめに。
可笑しすぎる。
・レイ・タリア・アーサーの4人、笑いを堪えるのに必死。



こんな調子で3時間+延長2時間の計5時間、勝負は続いた。
気になる最下位は―――





内緒。








やっとUNO!完結。
まだ少しだけ続きがあるのですが、だーらだーらなので、スパっと。
それでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございました*><*



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