Dangerous Brother
ピーッピーッピーッ・・・
ある一室、いつものように三人で好きなことをしていたところ、アズラエルから通信が入った。
「オルガ・シャニ・クロト、三人揃ってますね?」
揃っていないはずはない。昨夜寝る前に、朝集合しろと言われていた。
「何だよ?」
「さっさと言ってよ」
「だる・・・」
用件を聞く三人。とても面倒くさそうです。そんな三人の態度に少しムカつきつつ、
「今日は君達に新しい仲間を紹介したいと思いましてね。今そっち行くから待っててください」
と言い、アズラエルは一方的に通信を切った。
「「「・・・・・」」」
『こっち来るなら始めから通信なんか入れずにさっさと来い!』
三人のアズラエル嫌い度が5上がった。
15分後
シュンっとドアが開き、アズラエルと赤い髪の少女が入ってきた。
「いやいや、お待たせしました」
待たせてしまった。などとは少しも思っていないような口調のアズラエル。
三人は、遅せー。と思いつつ振り返る。そして・・・
「「あ゛ーーーーーっ!!!」」
部屋中に絶叫が響きわたった。叫んだのはクロトと少女。
突然の大声に、
「うっせーよ!」
「うざっ・・・」
オルガとシャニ、クロトを睨む。
少女を睨まなかったのは、けっこう可愛いかも。と思ったから。
さらさらの綺麗な赤髪。全体的にキリっとした顔なのだが、キツそうな感じは不思議としない。
少し子供っぽい少女だ。
気のせいか?誰かに似ている。そんな風にオルガ&シャニが思っていると・・・
「何でここにいんだよ!?!」
「私はGの整備士として来たの!それよりお兄ちゃんがここにいるってことは・・・整備やだぁ〜!だって、すぐ壊すに決まってるもの!」
「「!!!」」
と呼ばれた少女は、クロトのことを「お兄ちゃん」と呼んだ。
ということは・・・兄妹?
少女を見つめたまま動かないオルガ&シャニ。
すると、固まっている二人を見て、
「はクロトの妹です。仲良くするんですよ?」
と、アズラエルがクスクスと笑った。
そして、じゃあ僕は忙しいから。などと言い、部屋を去っていった。
「マジかよ・・・」
「たしかに似てるけど・・・」
少し信じられないと思う、オルガとシャニ。
だが、本人達の会話・容姿などを考えると、嘘ではないと思う。
こんな可愛い子がクロトの妹なんて・・・と考えているオルガとシャニに聞こえた台詞・・・
「機体の整備が仕事だろ?文句言うなっ」
「そんなこと言うと整備してあげないから!バァーカ」
これを聞いて、ああ〜間違いなく兄妹だ。と思った。
まぁ、クロトの妹であろうと関係ない。
可愛ければ全てよし!などと思ったオルガ&シャニは、にさり気なく近づくと、
「よっ。だっけ?俺、カラミティのパイロットのオルガ・サブナック。宜しく頼むぜっ」
「フォビドゥンのパイロットは俺。シャニ・アンドラス。、可愛いからコクピット内いじってもいいよ」
自己紹介をしつつ肩に触れたり、髪に触れたりした。
何とか自分の彼女にしようという企み。
「オルガさんにシャニさんですねっ!アズラエルのおっさんに聞いてます!・ブエルです!宜しくお願いしますっv」
頬をほんの少し朱に染め、ニッコリ笑うは天使のよう。ちょっとした暴言も、が言うと可愛くて許せる。
デレ〜っとするオルガ&シャニ。
と、今まで黙っていた(というより、割り込めなかった)クロトが怒りを爆発させた。
「テメェー!オルガ!シャニ!に触るなっ!離れろー!離れないなら撃滅っ!!」
Gに乗っているときよりもキレてしまっているクロト。ポケットから殺虫剤を取り出すことド○えもんのごとし!
某忍者もビックリな目にも留まらぬ早業で、オルガとシャニの顔にクロト特製強力殺虫スプレーを噴きかけた。
ちなみにこのスプレー、人畜有害。
「うあ゛ーっ!?てめぇクロト!」
「!!痛い!!目が痛いっうざい!」
強力な殺虫スプレーが目と口に入ってしまい、顔と喉を押さえ転げ回るオルガ&シャニ。
その様子に、
「お兄ちゃん、残・酷!オルガさん達は優しく声をかけてくれただけじゃない!」
と、兄を非難する。
妹に非難された兄クロトは、悪いことをしたという反省もなく言い放った。
「こいつ等が悪いんだよ!に触れたりするから!兄である僕には妹に悪い虫がつかないように守る義務がある!」
と。
そう。クロトは究極のシスコンだった。
「もうーっ!お兄ちゃんがそんなだから私、今まで彼氏できなかったんだからねっ!男友達も!」
怒鳴る。兄の気持ちはありがたいが、ここまでくると迷惑でしかない。
「!・・・ぼ、僕は悪くないね!の彼氏になりたいなら、僕の攻撃に耐えられないと!」
兄パワー炸裂。可愛い妹を、そこらの男にくれてやるわけにはいかなかった。
「もー・・・私もしかして、ずっと彼もできなくて、お嫁にも行けないのかな・・・」
兄の言葉に、どっと疲れてしまった。しょぼん、となっていると、
「おらぁーっ!こんなもんじゃ俺は殺せねぇ!耐えられたらくれんだな!?」
さっきまで転げ回ってたオルガが立ち上がった。
シャニはグッタリと倒れている。オルガよりも多く殺虫剤が入ってしまったようだ。
「オ、オルガさん・・・」
まさか、兄の攻撃を受けて立ち上がれる男性がいたなんて・・・
の瞳がハートに変わった。
「オルガっ!誰がテメェなんかに可愛いを渡すかよ!抹・殺!!」
再びスプレーを噴きかけようとするクロト。
「甘いんだよバっ・・・!!う゛あ゛ぁぁっ」
オルガ、スプレーを吹きかけられる前に素早く下を向いたのだが、クロトのほうが一枚上手だった。
「甘いのはテメェだオルガ!に手を出す奴は皆、撃・滅!」
先ほどと同じようにかけると見せかけて、下から噴射させたのだ。
顔を押さえ蹲るオルガ。もう動きそうにない。
「・・・お兄ちゃん、もういい。ちょっと疲れちゃった。ね、少し寝よ?」
ちょっぴり情けないオルガを見た。どっと疲れてしまった。少し眠りたい。
ハートになった瞳は元に戻っている。
「うん、一緒に寝ようね。近寄る男は皆、僕がやっつけてあげるよっ」
満面の笑みで妹の手を取ると、クロトは私室へ足を向けた。
2時間後
監視カメラをいじっていたアズラエルは、ブエル兄妹が一つのベッドで仲良く眠っているのを見て、何だか温かい気持ちになった。
天使
この言葉が眠っている二人にはピッタリな気がした。
まさか自分がこんな心を持ち合わせていたとは・・・そう思いながら、さらにカメラを操作するアズラエル。
カチっ。
「!?」
カメラを切り替えた瞬間目に飛び込んできたのは、本物の天使になりかけているオルガ&シャニだった。
「・・・あ〜、まだ壊れてもらっちゃ困るんですよね。処置してあげてください」
アズラエルは隣に控えていた職員に、オルガ達の治療を命じた。
その後、意識を取り戻したオルガ達の証言により、クロトの危険度がといるときのみ、AからA+に変わった。
そして、男性はにあまり近づかなくなった。
全てはクロトの望み通り。
初のクロト夢。
シスコンにしちゃいましたっゴメンナサイ!
どうしてもクロトとの恋愛は浮かばなかったものですから・・・
姉ではなく、妹。これが今回のポイント?かもしれません。
それでは、読んで下さってありがとうございました。
TOP
戻る