オルガの春




久しぶりの連休。
日差しが眩しい午後の時、いつもの調子を狂わせることなく外で読書していた俺の所に、一人の女がやってきた。
「オ〜ルガっv」
大きな愛らしい瞳を輝かせて俺を覗き込むコイツは、
あのおっさん(アズラエル)が、
「たまには女性が欲しくなるでしょう?」とか言って、俺に押し付けてきたストライクダガーの女パイロットだ。
本人も俺に気があったらしく、喜んで俺にくっついてきた。
最初は迷惑だ!と思ったが、中々可愛い。スタイルだって文句ない。
と、いう理由で、俺はコイツを側に置いてる。
置いてるだけで特に何もしてない。
「ねっ、聞こえてる?オルガ、暇?暇?暇ならどっか行こう!オッケー出発ー!」
俺が返事しねーからって、勝手に話を進めるな!
「ちょっと待てよっ!暇とも、暇じゃねーとも言ってないだろ!?それに、話を勝手に進めんじゃねーよ」
読んでた本を閉じ、軽く睨みながら言った。
するとは睨み返しながら、
「返事しないオルガが悪ーい。で、暇?」
と、俺が暇か、そうでないかを再び聞いてきた。
暇だと言ってくれる。そんな思いがにじみ出た目をしながら。・・・意地悪したくなるじゃねーか。
「忙しい。お前にかまってる暇なんかねーよ」
わざと冷たい態度をとる俺。
「小説をぼけーっと読んでるだけのくせしてー!」
頬を膨らませ、俺の軍服の裾を引っ張りながら怒る

・・・ガキだな。

「うっせーよ。小説読むのに忙しいんだ。あっち行ってろ」
そう言い放った瞬間、俺は少し後悔した。
の目に、大粒の涙が光っている。
いつもなら、馬鹿だのハゲちまえだの言って喚くのに・・・
「・・・っによ!いっつも邪魔者扱いして!・・・そりゃっ・・・私・・・必要とされて側にきたわけじゃないけど・・・
もういいっ!私っ・・・私、アズラエルのおもちゃにでもなる!!」
衝撃的だった。涙も、言葉も。心に鋭い刃物が突き刺さった感じがした。何なんだよ!?この気持ちはっ・・・
おもちゃにでもなる!そう叫んで走り去ろうとしたの腕を掴み、俺はその華奢な体を自分に引き寄せた。
「っ!?」
は俺の行動に一瞬びっくりしたようだが、すぐに抵抗を始めた。
「っ離してっ!離してよ!」
そう喚きながら、俺の腕の中でジタバタもがく。
「離さねーよ!離すわけねーだろっ!」
絶対に離さねー!離せねーよ!
無意識にを抱きしめる力が強くなる。
「何で離してくれないの!?好きでもない女なんて、どうなったっていいじゃない!邪魔なんでしょっ!?」
大きな瞳から大粒の涙をこぼしながら、俺から逃れようと身をよじる。
「邪魔じゃねーよ!好きでもねー女ならこんなことしねーよ俺だって!離さないのはお前が好きだからに決まってんだろが!」
そう言って、俺はの唇を乱暴に塞いだ。
始めは抵抗していたが、深い口付けに次第に力が抜けていくのが分かる。

そうだ・・・俺はが好きだ。愛・・・していると言ってもいい。
初めは可愛くてスタイルも良かったから置いていた・・・それだけだったが、今は違う。
涙見せられて自分の本当の気持ちに気づくなんて、俺もまだまだ青いな。

「・・・んっ、ふぁっ」
深く長い口付け。
そろそろ限界か?と、唇を離すとの口から甘い吐息がもれた。
やべっ。理性飛びそう。
「オル・・・ガ?」
潤んだ瞳で俺を見上げる
「あっ?何だよっ」
恥ずかしくて優しく言えねー。
それよりコイツ、こんなに色っぽかったか?
「オルガ、ホント?嘘じゃないよね?好きだって・・・」
まだ不安なのか、また泣きそうな顔で聞いてくる。
「馬鹿かお前は!ったく、まだわかんねーのかよ。好きだって言ってんだろ」
不安を吹き飛ばせるように、を強く抱きしめる。
「んっ・・・オルガ・・・好き・・・vv」
本当に嬉しそうに、俺の胸に顔を埋める
こんなに誰かを愛しいと思ったことは初めてだ。
・・・」
「ん?・・・っ///」
再び口付ける。今度は優しく。
何度も、何度も深い口付けを・・・

甘い時間。

完全に体の力が抜けてしまったらしいに、俺は囁いた。
「・・・部屋、行くか?俺の部屋」
「っ!!!///」
これがどういう意味か、解らないほど子供ではないはずだ。
「オルガっ!?///」
顔を真っ赤にして俺を見上げるが可愛くて仕方がない。
「嫌ならいいんだぜ?無理にするつもりはねーよ。今しなくてもそのうち貰う」
俺は真っ直ぐなんだよ。カラミティのビームのようにな。
「///・・・じゃない・・・です///」
俯き呟く。
「あ?聞こえねー」
本当は聞こえていた。が、どーしてもハッキリ言わせたい。俺ってSか?
「///っ〜!!嫌じゃないです!///」
俺にきつく抱きつき、恥ずかしそうだがハッキリと言い切った
「じゃっ、部屋連れてくぜ?いいんだな?」
そう聞くと、コクリと頷いた。
了解を得たからには遠慮はしない。
をひょいっと姫抱きして、俺は自分の部屋へと歩き出した。
真昼間だろうが、そんなことは知ったことじゃない。
カーテン閉めればいいんだよ。
部屋も、シャニの音楽がうるせーって文句言って防音にした。
問題は何もない。
恋人同士の、楽しく幸せな時間の始まりだ。












お礼


最後まで読んで下さってありがとうございます。
何か、物凄く恥ずかしい作品になってしまいました。
13〜15禁くらい?・・・どの程度までいいのか解らないっ。
まぁ、この話は置いておいて、タイトル。
オルガの春。センスのかけらもないタイトルなのですが〜ちゃんと意味あったりします。
恋愛物語だから「春」ってだけじゃ〜ないんです。
名前入力をキャンセルすると見れるヒロインの名前が関係しています。
薄紅こもれびはドイツ語好きv

こんな子供だましの文しか書けない薄紅ですが、これからも暖かく見守って下されば幸いです。
それでは、ありがとうございました!



TOP

戻る