Envy



一月一日・ヴェサリウス・クルーゼ私室

「ムウ、妬め!そして転げ回るがいい!」
新年早々、何やら嫌がらせの準備をしているらしい隊長、ラウ・ル・クルーゼ。
PCの前で不敵な笑みを浮かべ、ライバルであるムウ・ラ・フラガへの憎しみをブツブツ呟いている。
部下には見せたくない姿。見られたら・・・ヴェサリウスごと強制天界転送。言いふらされ、歴史家に笑われては困る。
ブツブツ言いながら作業を進めること数分。
準備が終わったクルーゼは、
「さて、後は送信するだけだ・・・くくっ、楽しみだよムウ!」
と、叫びながらメール送信ボタンをクリックした。
「ふふっ、どんな反応をするのだろうな?」
早く返事来ないかな?といった様子でクルーゼは椅子をクルクル回している。
と、そこへ・・・
「ラウ〜v朝ごはんの準備できたv早く食べよう〜v」
クルーゼの愛妻、登場。(Cyclone Baby参照)正月休みを貰いヴェサリウスに滞在中。
「ああ、愛しいの作ってくれた食事だ、冷めないうちにいただこう」
銀色の仮面を外し、ニッコリ微笑むクルーゼ。
どんな女性でも心奪われそうな美顔。メール送信前とはえらい違い。
結婚してから大分たっているとはいえ、ドキっとしてしまう。
恥ずかしくなったは、クルーゼの胸に顔を埋めた。
「///ラウってば急に仮面外さないで///」
真っ赤に染まった頬を隠すため、ピッタリくっついて離れない。
「ん?何故急に外してはいけない?」
軍服をギュッと握り身を寄せているが愛しくて、ついつい意地悪してしまう。
「だってぇ・・・ラウ素敵すぎるんだもの///」
言った後、もーっ!何言わせるのっ!という感じで、はポコポコと夫の胸を叩いた。
叩かれているクルーゼ、何とも幸せそうな顔をしています。
、私は君の夫だ。いい加減に慣れてもらわなければな?」
クルーゼはそう言って身をかがめの顎をクイっと持ち上げると、フワリと優しいキスを落とした。
「ラウっ!///うぅ〜・・・ご飯冷めちゃうっ!」
仮面を外した旦那様に弱い、早くご飯!と言い、逃げる。
「ふふっ、本当に可愛いらしいな」
そう呟いて、幸せ気分のクルーゼは愛妻の後を追いテーブルへ向かった。






その頃のアークエンジェル・フラガ私室

「さてと、メールチェックでもしますかっ。着てたらあけおめメールの返事も返さないとな」
誰から届いているかな?と、メールボックスを開いたフラガの目に飛び込んできた文字・・・
メール・新着一件・ラウ・ル・クルーゼ・添付ファイルあり
「・・・・・・・・・・」
消そうかどうしようか迷うフラガ。
「・・・読まずに捨てたら俺の負け・・・くそっ。見てやろうじゃないのっ!」
ウイルス感染したらキラに何とかしてもらえばいい。困ったときのキラ頼み。
そう思ってフラガはメールを開いてみた。


メールの中身
『ムウ、新年明けたな。今年こそは討たせてもらう。そのつもりでな。
そうそう、ファイルの中身だが、私の宝だ。目をかっぴらいて見るがいい。それだけだ』

                                ラウ・ル・クルーゼ


「宝?なんだってんだ?」
あいつの考えていることはよく分からない。そう思いながらファイルを開くと・・・
「!!!何だよこのお嬢ちゃんは!?こんな可愛い子はべらしてんのかアイツ!く〜羨ましい!」
ファイルの中身は写真。それも、クルーゼがを抱きかかえている写真。
美少女を膝の上に乗せ、ご満悦のクルーゼを撮ったもの。かなり羨ましいと思うフラガ。
「くっそ〜!・・・ん?何か書いてある?」
写真の隅には「妻と一緒v」と書いてある。
「!!!妻!?あんの野郎〜!こんなお嬢ちゃんたらし込んで・・・!いつの間に・・・くそっ、負けてたまるか!」
フラガは自室を飛び出して走った。無重力の中を走った。ちょっと不思議。
行き先は・・・

艦長室

「そろそろシャワーを浴びて寝・・・」
シュンッ
突然開いた扉。
「!?」
「艦長!突然悪いが写真撮らせてくれ!」
「?」
物凄い勢いでフラガが入ってきたので驚き、すぐには言葉を発することが出来ないラミアス艦長。
頭の中はパニック。
「は・・・あ・・・た、大尉・・・せ、セクハラです!」
やっとの思いで言ったのは、突然入ってくるなんて!という気持ちを込めた「セクハラです」
が、セクハラだと言われたフラガは、
「詫びなら後でいくらでもする!艦長の写真であいつに、クルーゼに勝てるかもしれないんだ!美女万歳なんだよ!」
興奮しているせいか、わけのわからないことを言って写真を撮らせろと迫る。
「わ、分かりました」
迫力に負けたのとクルーゼに勝てるかもという理由で、艦長は撮影を許可した。
写真が何の役に立つというのか?と思ったが、今聞くのは止めよう。無言でポーズをとる。

カシャッ

「よし!助かったぜ艦長v」
美人艦長を撮影し終えると、ありがと〜!と手をブンブン振りながらフラガは私室へと走り去った。



フラガ私室

PCに向かい、メールの準備をテキパキ進める。
数分後
「受け取れクルーゼ!」
送信ボタンを気合たっぷりに押す。
「クルーゼめ、俺のナイスバディな彼女(未来の)を見ろ!」
自信たっぷりフラガさん。負けず嫌いの性格が出たようです。






そしてヴェサリウス・クルーゼ私室

「お腹いっぱいv」
「やはりの料理が一番だなv」
食事を終え、まったりタイムに入っている夫妻。
「お料理、ラウにしか作ってあげないのv」
「私以外の者の口へ入れさせるものかv」
「ラウ〜〜vv」
「ふっ、甘えっ子だな、はv」
伊達巻や栗きんとん、黒豆より甘い二人の世界。
なんだかな〜というくらいイチャイチャしている。
と、二人を邪魔するように、
「メ〜ルが着てるよ〜」
一昔前の、可愛いような可愛くないようなネズミのヌイグルミがメールの着信を知らせた。
「ラウ、メールだって」
「ああ」
何だか気分が台無し。
クルーゼはムスっとしながらもPCに向かった。
メールボックスを開いて飛び込んできた文字は・・・
メール・新着一件・ムウ・ラ・フラガ・添付ファイルあり
「・・・・・・・・・・」
何だ?ウイルスか?捨てようかどうしようか迷うクルーゼ。
「・・・ふんっ。面白い。読もうじゃないか!」
ウイルス感染したらアスランに直させよう。困ったときのアスラン頼み。
そう思い、メールを開いてみた。


メールの中身
『ラウ、写真は見た。だが、俺の彼女の方が上だ!仮面をよく磨いてから見ろ!』

                                ムウ・ラ・フラガ


「ふん。寝ぼけたことを」
より美しく魅力的な女など。と、思いながらファイルを開くクルーゼ。
写真表示
「ほぅ・・・なるほどな・・・」
写真にはなかなかの美女が。少し笑顔を引きつらせるクルーゼ。
自分の妻の方が上だが、美人の恋人などムウのくせに生意気だ。
じっとしたままそんな事を思っていると、中々自分の所へ帰ってこないと痺れを切らしたが来た。
「何?ねぇ、何が届いたの?」
旦那様の背にくっ付き、画面を覗き込む
そして、一言。
「誰よ、この女!?」
対抗心剥き出し。
「ムウ・ラ・フラガの恋人だそうだ。まぁ、たしかに美人ではあるが、には勝てんな」
クルーゼは振り向き愛しい妻の髪を撫でる。
はくすぐったそうにしながら
「当たり前よっ。私はラウの妻なんだから!鷹の恋人になんか負けるわけない」
そう言うと、ギュッと愛しい旦那様にしがみついた。
クルーゼはうんうん。と頷き、にキスのプレゼントをしてPCをたたんだ。
部屋の明かりを消し、二人の世界へ旅立ってゆく。






全てが済みが眠りに落ちた後、クルーゼはしつこくフラガにメールを送っておいた。
「私の妻のほうが美人だ」と。
そしてフラガもしつこくクルーゼにメールを送ってきた。
「俺の彼女のほうがナイスバディだ」と。
二人の個人的戦争が今年も始まった。
おまけにVSマリューの戦争も数時間遅れて始まった。
「私のほうが胸の形がいいわ!貴女はただ大きいだけじゃない」
が送れば、
「小さいからって負け惜しみかしら?」
とマリューからの返信。
ここで問題、女性二人は互いのメールアドレスなど知らない。ではどうやって?
答えは簡単、直接敵艦に叩き込んでいる。
何処までも低レベルな争いに、双方の兵は疲弊していった。
せめてもの救いは、隊長や大尉といった人物までもが低レベルな争いをしているという事が知れていないこと。















お疲れ様でした!2004年、第一発目のドリーム。いかがでしたでしょうか?
何だかわけの分からないドリームですが、これが一発目です。
隊長夫人再び!何だかおまけっぽい扱いでゴメンナサイ!
それでは、また!ありがとうございました〜(逃げ)



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