ある世界に、とっても仲の悪い双子兄弟と、二人とは幼馴染の、一人の魅力的な女性が一緒に暮らしていました。
双子の名はムウとラウ。女性の名は
ムウとラウは互いを罵りながら、はそんな二人の間に入りながら、それはそれは楽しく生活していました・・・





sunny side up







朝7時

リリリリリリリンッ!リリリリリリリリンっ!
古電話に似た音の目覚し時計が耳障りな音を立てる。
「んーー・・・朝ぁ・・・」
はカチっと目覚ましを止めると、二人の朝食を作るため、まだ眠い目を擦りながらベッドを出た。
家事は担当なのだ。
手早く身支度を整え、キッチンへと向かう。


7時30分

半分以上の料理が出来上がった頃、ラウが二階の部屋から下りてきた。
「あっ、おはよーラウv」
オタマ片手に笑顔を向ける
宝石の輝きを思わせるような眩しい笑顔を向けられたラウは端整な顔を少し朱に染め、
「ああ、おはよう///」
と短く返事をし、食事の準備を手伝おうと食器棚に手をかけた。
毎朝のことだが慣れる事はない。

あの男さえいなければ夫婦のようなのに・・・

ラウはムウの顔を思い出し、不機嫌モードに突入した。
普通の者ならば、朝から不機嫌面を見せられて良い気はしない。美丈夫の不機嫌面は中々怖いものがある。
が、はもう慣れていた。
「今日の朝ごはんはね、トーストと目玉焼きとサラダと〜オレンジジュースvもちろん果汁100%よ!」
ラウの不機嫌を気にするでもなく鼻歌まじりで料理の盛り付けをしている。
そんなの鼻歌に癒されたラウ、フっと笑いの隣に立つと、
「今日も美味しそうだな」
と、ひょいっとプチトマトを一つ摘み上げ、もごもごと食べた。
一瞬の出来事。スローモーションでもう一度見たいくらい。
なのだが、これにもは慣れっこで、普通に見えていた。

お行儀悪い!つまみ食いしないの!

と、叱るべきところ・・・が、仕草があまりにも素敵過ぎてはつい見とれてしまった。
素敵さには中々なれることが出来ない。幼い頃から一緒だというのに。
つまみ食いさえ美しく決める男、ラウに拍手である。
さて、絵になるような姿をもう少し見ていたいなのだが、そうはいかない。
はっ!と我にかえると、
「ラウ、私、ムウ起こしてくるからお料理テーブルに運んでっv」
そう言い、はエプロンを外し朝の大仕事をするためキッチンを出て行った。


7時45分・ムウの部屋前

はムウの自室の前に立つと、すぅーっと深呼吸し気合を入れてから、
「ムウーーーーーっ!!朝ぁぁぁっ!起きなさ〜〜〜い!」
と叫んだ。
もちろん、ドアが吹っ飛びます。というくらい激しいノックのオマケ付き。
普通の人間なら一発で起きるほどの声&音なのだが、ムウは起きない。
「う゛ー・・・毎朝毎朝まったくもうっ」
やっぱり外からでは起きない。と諦め、入るよー。の声と共に部屋のドアを開け入室。
部屋の中に入ると、とっても気持ち良さそうに眠っているムウの顔が見えた。
「はぁ・・・どーして起きないかなぁっ」
はムウのベッドの横に立つと枕元に片手をつき、いつものようにムウの肩を揺すってみた。
起きてよっ、起きてってば〜起きろムウっ!てやんでぇいっこんちくしょー!
いろんな言葉をかけながら激しく揺する。が、起きない。
「もうーっ!!おっきなさぁーっい!」
いい加減腹が立ってきたは、ジャンプしてムウの鳩尾に肘を叩き込んだ。

「っがっぐはっ!!」

これには流石のムウも起きた。
「くぅ〜・・・、もーっちょっと優しく起こして欲しんだけどなー」
半分涙目で笑い、優しく起こして欲しいと言うムウ。
だがは「ダーメっ」という顔で、
「優しくじゃ起きないでしょ!すんなり起きてくれたら私だってこんなことしないのっ!」
と言い、早く着替えて顔洗って下まで来て!とムウを急かし部屋を出て行った。
せっかくの食事が冷めてしまう。
が去って一人になったムウは、
「くぅ〜〜きびしいねえ。優しいキスで起こされてみたいんだけどなぁ」
と独り言を発した。
実は寝てなどいなかった。本当は毎朝起きている。
にお目覚めのキスをしてほしくて、毎日わざと寝たフリをしているのだ。
彼女は気づいているのかいないのか・・・


ムウの部屋を出て階段を下りている

「まだまだよv」
階段の途中で立ち止まり、ムウの部屋のほうを振り返ってはボソっとつぶやいた。
ムウの寝たフリはとっくの昔にバレていた。
何を望んで寝たフリをしているのかもお見通し。
叶えてあげてもいいのだが、もう少し反応を楽しみたいな・・・。
という少し意地悪な考えがあって、ムウのお芝居に付き合っているのだ。
簡単には叶えてあげないよ〜vということ。
は、明日もまた同じなんだろうな。と思って微笑むと、
「さて〜あんまり待たせるとラウが怒り出しちゃうっ」
と歌うように言い、軽い足取りでラウの待つ食卓へ向かった。


8時2分

「お待たせっ」
が食卓に入ると既に全ての料理が綺麗に並べられており、ラウは座って待っていた。
「うわーっラウ、全部やってくれたんだ!ありがとv・・・ん?」
お礼を言って座ろうとしたの瞳に花が映った。
よく見ると各席に一輪の花が添えられている。
の席にはコチョウラン。(花言葉は「貴方を愛します」さり気なく告白)
ラウの席にはシュンラン。(花言葉は「気品」)
ムウの席にはキンギョソウ。(花言葉は「でしゃばり」さり気ない悪口)
「えっ、これどうしたの?凄く綺麗ーvvいい香り〜」
朝の食卓に花、ずっと憧れていたので物凄く嬉しい。
簡単に出来そうだが、生活費節約のため無理だったのだ。
「派手には出来なかったが、喜んでもらえたようで私も嬉しいよ」
無邪気に喜ぶに優しい微笑みを向けるラウ。
昨日の晩、花屋を経営する友人アデスの所にこっそり貰いに行って良かった。
とてもいい感じではないか!
そう思ったとき、ラウにとって一番の邪魔者が現れた。
「いや〜待たせちゃってゴメンな?v」
ムウ登場。一番長く待たせていたラウに謝罪の言葉は向けない。完全無視。
腸が煮えくり返るラウ。
二人が低レベルな争いを始めるまでそう時間はかからないだろう。


さて、三人とも揃ったところでお食事タイム。

いただきます。と挨拶し、それぞれ食事を始める。
しばらく何気ない会話をしながらサラダを食べていた、ふと目玉焼きに視線を落とした瞬間、思った。
そして、言った。
「ねっ、今何となく思ったんだけど、ムウとラウって目玉焼きみたいだよねv」
少し意味が分からない。不思議発言だ。
「目玉・・・」
「焼き・・・?」
ムウ&ラウはいったい何だ?という瞳でを見る。
「うん。二つの黄身がくっ付いてて〜同じお皿に乗ってる」
一人嬉しそうに話すに、もーちょっと分かりやすく言ってくれないか?という視線を向けるムウ。
そんなムウを鼻で笑い、
「なるほど、目玉焼きの黄身を双子に例えたのか。皿は家。そうなのだろう?」
とラウが言うと、は「流石ラウ!」と言って分かってくれたことを喜んだ。
当然面白くないムウ。
「そうかっ、中々面白いこと言うね〜はv」
と言いながら、フォークで目玉焼きの黄身を一つ貫いた。
破裂し、とろけだす黄身。もしかしなくてもラウに対する黒い感情の表れ。
それを見たラウも、
「本当に面白い発想だ」
と笑いながら、同じように黄身を一つ貫いた。
ついでにナイフで切ったりもしている。
普通に見たら何もおかしくはないだろう。ただ食事をしているだけ。
だが、ムウとラウは違う。食事をしながら争っている。
低レベルな争い方。
二人の行動を見たは、「また始まっちゃったよ」と思い、そっとしておこう。と決め、食事を進めた。
黙々と食べている最中、
「はっ!目玉焼きにソースとは、相変わらず悪趣味だな!ムウ!」
「うるせぇー!お前こそマヨネーズなんかかけやがって、味覚おかしいんじゃないか!?」
「ケバブにヨーグルトソースをかける貴様に言われたくないものだ!」
「ヨーグルトソースは常識なんだよ!やっぱ味のわかんねー奴だな!」
「貴様と同じ趣味に走ったら本当に味覚おんちになってしまうな!」
などなど、色々な罵詈雑言が飛び交っていたが、いつものことか・・・。と苦笑して流した。
ただ、後で「目玉焼きにソースやマヨネーズをかけるのはおかしくない。ヨーグルトソースもそれぞれの好みだ」
とだけは伝えよう。と思った。
二人のやり取りを見ながらオレンジジュースを飲むの瞳は楽しげ。


きっと、昼食も夕食も似たようなことになるだろう。
フラガさん家は今日も賑やか。









お疲れ様でした。
初めてのパラレルドリーム、楽しんでいただけましたでしょうか?
ムウとラウ、この贅沢な組み合わせ、一度書いてみたかったのですよね。
お付き合い、ありがとうございました!



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