クルーゼ隊、温泉計画3




シャトル内。

「我々が滞在する温泉施設があるプラントへは、ここから約5時間。
宿でチェックインを済ませれば自由時間だ。好きに過ごしたまえ。だが、6時の夕食時間には遅れるなよ」
荷物を棚にしまいながら、皆に予定を話すクルーゼ。
何か質問は?と言おうとしたところ、
「隊長ぉ!」
元気よくイザークが手を上げた。
「何か質問かね?」
どうせろくなことではあるまい。そう思いながらも、質問を待つ。
「部屋割りはどうなっているんですか?」
とても大切なことです。
「ああ、それか。イザーク・ディアッカ・アスラン・ニコルの四人は同じ部屋だ。なに、心配はいらんよ。十分広い。
それと、君は私の部屋の隣に一室とった」
さりげなくを自分の近くに来るように仕組むクルーゼ。
「ありがとうございます♪」
女性である自分を気づかってくれたと喜ぶ
その後ろでは、納得のいかないイザークが何かを言おうとしたところ、またもディアッカに止められていた。
どうせ無駄だということらしい。
「あの、隊長・・・」
もう質問はないな?と座ったところ、アデスが申し訳なさそうに手を上げた。
「何だ?」
も隣に座らせた。これから楽しいお話タイムに突入だvというところを邪魔されたため、少し冷たい言い方になるクルーゼ。
そんなクルーゼにビビりつつも、アデスは質問した。
「あ、いえ・・・私の部屋はどうなっているのかをお聞きしたくて・・・」
自分だけ部屋の説明をされていないのだ。アデスでなくとも気になる。
数秒の沈黙後、クルーゼが口を開いた。
「・・・すまんな、アデス。三部屋以上はとれなかったのだ。したがって、お前は添乗員室だ」
ガーン!!
クルーゼの言葉に涙目になりそうなアデス。
隊長、ひどすぎます!と、顔で訴えている。
添乗員室で客室のような綺麗な部屋はあまりない。大抵狭く、とても客室には使えない。
綺麗だったりすると、怪談話がある。そしてそれは多くの場合、本当だったりする。(客室の怪談話も同じ)
アデスがショックを受けるのも無理ない。
泣きそうな顔で固まっていると・・・
「ぶはっ!」「うぐぐっ!」「ぃっっ!」「っめですよ!」
後ろの方の席から笑いをこらえているらしき声が聞こた。
貸切のシャトル内、笑いをこらえているのは誰なのか、答えは簡単。
四人は互いを抓ったり突付いたりしながら必死に耐えていた。
十分聞こえているが、今のアデスにはどうでもいいこと。
「て、添乗員室・・・でありますか?」
何かの間違いだ。冗談だよアデス。と、笑って言って下さい隊長!
僅かな期待を込めて、もう一度聞いた。が、
「そう、添乗員室だ」
さらりと答えるクルーゼ。ああ、無情。哀れアデス、添乗員室決定。
どよ〜んとした空気がアデス周辺を支配している。
「だ、大丈夫ですよきっと!綺麗なお部屋ですって!ねっ隊長っ」
アデスの落ち込みぶりに、心を痛めたが励ます。
「・・・・・・」
クルーゼ沈黙。
「た、隊長??」
焦る
「・・・狭いが、汚くはないと聞いている」
クルーゼは、ぎこちない微笑みを浮かべながらそう言った。
何かを隠している様子。
「ほらっ!隊長も汚くないお部屋だと仰ってますよ!良かったですね♪アデス艦長♪」
クルーゼの様子に気づかず、は無邪気にアデスの手を取り喜んでいる。自分のことのように。優しい女性です。
に手を握ってもらえたことで、すっかり明るさを取り戻したアデス。
「あ、ああ。ありがとう、
頬を赤らめ、とても嬉しそう。
それを見たクルーゼは、続きを話すのを止めた。
話したところでどうにもなるまい。と思ったのもあるが、に触れたというのが気に入らないからだ。
先のアスランといい、まったくもって面白くない。
「アデス、そろそろ座ったらどうかね?」
穏やかだが、早くから離れろ。という感じで言うクルーゼ。
「はっ、はい」
いつもブリッジで共にいるアデスは、この上官の微かな変化を感じることができる。
お、怒ってる・・・そう感じ取り、慌てて斜め後ろのシートに座った。
邪魔者は遠ざけた。
「道のりは長い。眠くなったら寝てもかまわんよ。私がちゃんと起こしてあげよう」
の耳元、優しい声でクルーゼはそう言った。
「はい。お気づかい、ありがとうございます///」
耳まで赤く染め、俯き答える
何て可愛らしいのだろう。今夜といわず、今食べてしまいたい!
と、クルーゼは考えている。
駄目です隊長!裏行きになりたいのですか?


強制移動。
いままでのやり取りを見て聞いていた四人・・・
ニコル&アスラン
「あの隊長の様子、何かありますね」
ニコルは、○っぱえびせんを頬張りながら隣のアスランに話し掛けた。
「・・・・・・」
アスランはボーっとしていた。
・・・自由時間になったら、散歩に誘ってみよう。隊長は・・・やっかいだな・・・』
そう、のことばかり考えているのだ。
「アスラン・・・」
また考え事か、とニコルは思った。
そして、窓の外の宇宙空間を見つめながら自分も考え事の世界に入っていく。
どうやってと二人きりになろうかと。
『水族館があるってパンフレットに書いてあったっけ。さんと二人で行きたいな〜。でも、隊長たちは邪魔になりますね』
だんだん黒いオーラがたちはじめています。

ディアッカ&イザークは・・・
「グゥレイトォ!」
「くそーっ!くそっくそっくそっくそっくっそー!」
二人でババ抜きをしていた。
「イザーク弱すぎ。すぐババ引くもんな」
くっくと笑いながら、トランプをまとめシャッフルするディアッカ。
「うるさい!たまたまだ!だいたい、二人でやっているんだぞ!」
トランプひとつでもムキになるイザーク。
こんな二人だが、心の中は・・・
『トランプか〜夜誘ってやるかな。も弱そうだし、罰ゲームとか設定して・・・
上手くすれば二人きりになったり、キスとかしたりできるかも?ん〜グゥレイトォ!』
ディアッカ、隊長に負けずとんでもないこと考えています。
が、これでも純粋にのこと想ってます。
して、イザーク。
『ふんっ。トランプなど・・・夜にを誘って・・・などと考えているのだろうどうせ。
ちゃちな手だ。俺は違うぞ。夜景が綺麗に見れる場所をチェック済みだ。トランプより夜景を選ぶに決まっている。
問題は、どうやってコイツ等や隊長をまくか・・・だな』
やっぱりと二人きりになる方法を考えています。
四人がと二人きりになれるときはあるのか?
今のところ謎。


こんな調子で3時間経過・・・
皆の様子☆

「〜zzz♪」
、お休み中。
クルーゼの肩に頭を乗せ、幸せそうに眠っています。
「ふっ。寝顔も可愛いな。今のうちにゆっくり寝ておきたまえ」
心底を愛しているクルーゼ。寒くないよう毛布をかけ直してあげたりと、優しいです。

アデス・・・一人缶ビールを飲んでいます。

ニコル&アスラン
「アスラン、じゃ○りこ食べますか?」
「ああ。ニコル、オレンジジュースとアップルジュース、どっちにするんだ?」
おやつタイムのようです。

ディアッカ&イザーク
「・・・俺のこの手が光って唸るぅ・・・zzz」
イザーク、夢の中。
何の夢を見ているのでしょう?
「・・・♪」
ディアッカは、イザークが寝てしまい暇なので、水着グラビアを見ている。

あと2時間、平和な時は続く。
シャトルを降りたとき、再び争奪戦が始まるまで。





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