どちらにも行かない編
部屋の中の
「・・・隊長ともイザークとも付き合えない・・・」
窓の前では呟いた。
隊長は、とても素敵な人だ。近くにいればドキドキもする。
でも、上手く言えないがそれは恋愛感情ではなかった。違うのだと気づいた。
アイドルを想う気持ちとあまり変わらない感情。
そんな感情で付き合うなんて失礼な真似はしたくない。
イザークは、あまり話したことがない。よく知らない。というのが強い。
背も高く、整った顔。以外に優しくて・・・でも、それだけでは付き合うことなどできない。
さんざん考えぬき、出した結論。
「行かなければ、それが答えと思ってもらえるよね」
二人の気持ちを考えると胸が痛んだが、自ら導き出した答え。変わらない。
しばらく窓の外を眺めていたが、いつまでもこうしていても仕方がないと思い、は布団に寝転んだ。
「・・・寝ちゃお・・・」
バサっ。と布団を頭までかぶり、寝に入った。
明日の朝、気まずいかもな・・・なんて考えながら、夢の世界へとおちて行く。
その頃のクルーゼは・・・
「何故だ・・・何故来ない・・・振られた?この私が?・・・くっ・・・くくっ・・・あははっ・・・あーっはっはっはっはっはっ」
に振られてしまったらしいことを感じたクルーゼは、少し乱心していた。
「彼女が愛してくれるなら、と思ったが・・・ふっ。運命は変えられぬか。いいさ、開いてやる・・・最期の扉をっ・・・」
などと独り言を発しながらワインをラッパ飲みし、今日は大人しく寝ることにした。
一方、ロビーのイザークは・・・
「・・・っ・・・」
いつまでたってもが現れないことから、フラれたと受け止め、悲しみに震えていた。
「っ・・・くっそーっ・・・くっそ、くそっ、くそっ、くそっ、くッそーぉっ!・・・」
ソファーを蹴飛ばし、気持ちを暴走させる。
そして・・・
ドタタタタタタタタッ!!
部屋まで帰ると、寝ていたアスラン・ニコル・ディアッカを蹴り起こし、夜の街へとカラオケに繰り出していった。
途中、わけのわからない金髪酔っ払いも巻き込み、歌いまくった。
気持ちよく眠っていたのに起こされたアスラン達は不機嫌だ。
翌朝、寝不足のアスラン達は、この上なく不機嫌だった。
この銀髪カッパが!と、怒りのオーラを放っている。
が、を見つけると直ぐにニコニコした顔に変わった。
クルーゼはいつもと変わりなく接しているが、内心は穏やかではない。
何故自分の所に来てくれなかったのか、問いただしたい気持ちでいっぱいだった。
イザークもまた、何故なのか問いたかった。が、格好の悪い男。と思われたくないため、黙っている。
そして、アデスは自分だけ取り残されていると感じ、静かに落ち込んだ。
残りの二日間、アスラン達はを射止めることに励み、クルーゼはどうしたら扉を早く開くことができるかを考え、
イザークはひたすら沈黙したまま過ごした。
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