イザーク・ジュール編




部屋を出た

「・・・気持ち。伝えなきゃ」
答えを出したは、イザークへ気持ちを伝えるためロビーへと向かう。
少し遅くなってしまった。いなかったらどうしよう?
緊張と不安が入り混じったドキドキ・・・

角を曲がればもうロビー。イザークは・・・
「(いたっ!イザークだ)」
真ん中の席、背を向け座っている銀髪の人物。
間違いない。銀髪おかっぱは彼しかいない。
イザークの姿を確認したは、一歩一歩静かに進む。
ちょっと驚かせてみたい。というイタズラ心がわいてしまったのだ。
静かに静かに進み、声をかけるに丁度いい距離まで近づいたとき
「ふんっ。ずいぶん遅かったな」
イザークが突然クルリと振り返り、言葉を発した。
「!!」
ビックリする。驚かそうと思っていたのに、逆に驚かされてしまった。
そんなをおかしそうに笑うイザーク。
「今度は気配くらい消すんだな」
そう言い立ち上がると、の手を取りキスを落とした。
「イザっ///」
は押されてばかりだ。
「///行くぞ!お前に・・・いや、お前と見たい・・・いやっ、行きたい・・・と、とにかく行くぞ!///」
頬を染めているが可愛くて何だか照れくさくなったイザークは、上手く話せなくなってしまった。
下手に何か言って格好悪い自分を見せるより、早くあの場所へ!と思ったイザークは、の手を握り外へと足を進める。
「イザークっ?あのっ、何処行くの?」
いったい何処に行こうというのか。質問をしてみたが、イザークはただ黙っての手を引き歩くだけ。
まぁ、危険はないだろう。と思ったは、黙って付いていくことにした。

数分後。

「うわぁっ!綺麗」
夜街を彩る光のあまりの美しさに、目を輝かせる
ここはあまり知られていない夜景スポット。
「気に入ったか?///」
「うんっありがとう///」
顔を赤らめ聞くイザークに、は笑顔で答えた。
自分だけに向けられている愛しい女性の笑顔を見て、これからこの女性の全ては自分のもの。
大切にしなくては。と思うイザーク。
「/////さ、寒くないか?」
の体を心配して、イザークは自分の上着をかけた。深夜は少し冷える。
「イザーク、ありがと・・・///」
なかなか良い感じだ。
寄り添い夜景を眺める二人は、もうすっかり恋人同士。
優しく暖かい空気が二人を包む。

しばらくして、そっと寄り添い温もりを感じていたが口を開いた。
「イザーク、あのね・・・」
「何だ?」
イザークは、少し遠慮したように話し掛けてきたの頭を撫でながら聞く。
すると、はさらに身をイザークに寄せ、話し出した。
自らの想いを・・・。
「・・・私ね、迷ったんだ。貴方の心に答えること。だって、あんまりよく知らなかったし、まともに話したことも・・・」
は、こんな風に言ったら怒るかな?と思ったが、イザークは黙って聞いてくれていた。
変わらず、優しく撫でながら。
「・・・なんて考えてたんだけど、途中でやめちゃった。これから沢山話せばいいかな〜って」
そう言って、顔をあげた瞬間・・・
「っ/////」
イザークに唇を奪われた。見えない羽で包み込まれているような感覚。
優しく甘い口付け。
「イザっ・・・///」
潤んだ瞳で見上げる
イザークの心にたまらない愛しさが込み上げる。
「///よく知らないだとか、話したことがないだとか、くだらない事で悩むな!これから知っていけばいいだけだろっ///」
をガバッと抱きしめ、叫ぶように言った。
すると、はコクリと頷き、イザークの体へ腕を回した。
互いの鼓動が感じられる。
とても幸せな時間。いつまでもこうしていたい・・・が、そうもいかない。
「・・・そろそろ戻るか?」
イザークは腕の力を緩め、の顔を覗き込む。
すると、少し恥ずかしそうしながら
「ん、ちょっと寒くなってきちゃったしね」
と、は頷いた。
これからいくらでも一緒にいられる。
二人は微笑を交わし、互いに手を取り宿泊施設へと帰ることにした。

数分歩き宿泊所が見えたとき、イザークが顔を真っ赤にしながら、
っ・・・俺と一緒に・・・風呂にでも入って温まらないか?///」
と、言い出した。
少し体が冷えてしまった。温めるには温泉が一番。どうせ入るならと一緒がいい。
と考えたのだ。
「えっ///・・・う、ん・・・///」
は突然の誘いに一瞬ビックリしたが、了解した。
この後、二人は貸切風呂で心身共に、芯まで温まった。









一方、クルーゼは・・・

「何故だ・・・何故来ない・・・振られた?この私が?・・・くっ・・・くくっ・・・あははっ・・・あーっはっはっはっはっはっ」
に振られてしまったらしいことを感じたクルーゼは、少し乱心していた。
「彼女が愛してくれるなら、と思ったが・・・ふっ。運命は変えられぬか。いいさ、開いてやる・・・最期の扉をっ・・・」
などと独り言を発しながらワインをラッパ飲みし、今日は大人しく寝ることにした。



翌朝、揃うなりイチャイチャを見せ付けられたアスラン達は、この上なく不機嫌になった。
いつの間に!?この銀髪カッパが!と、怒りのオーラを放っている。
クルーゼはいつもと変わりなく接しているが、内心は穏やかではない。
せいぜい思い上がれよイザーク。今のうちだ・・・。と、嫉妬の炎を燃え上がらせている。
そして、アデスは自分だけ取り残されていると感じ、静かに落ち込んだ。
残りの二日間、アスラン達は二人の邪魔をすることに励み、クルーゼはどうしたら扉を早く開くことができるかを考えていた。



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