「はぁっ、はぁっ」





少女は吹雪の中、山頂に聳え立つ城を目指している。





吸血鬼達が住んでいる城を……










Welcome to vampires' castle










ザクッ ザクッ ザクッ







少女は一歩ずつ、歯を食いしばって進む。





町を出てからどのくらいたった?どれくらい歩いた?





疲労のせいで全く分からない。





手や足など、体の感覚はもう大分前になくなっている。





それでも少女は進もうと必死。





無事に城へ辿り着ける可能性はとても低いものだけれど……





「はぁっ……っ!きゃっ!」





ドサァッ





足がもつれ、雪の上に倒れこんでしまった。





起き上がろうにも力が入らない。





「っ、私……ここで?」





忍び寄る死の影。





不思議と怖いとは思わない。





けれど、嫌。





こんな所で終わりたくない。










神様―――










少女はぎゅっと目を閉じて祈った。





が、雪は容赦なく少女の体を覆い隠してゆく。





「お願……」





あと数分もすれば完全に覆い隠され、永遠の眠りに……と思われたその時……





「まだ……この世界にいたいと?」





一人の青年が現れた。





赤茶色の髪の青年……





「あっ……」




少女は朦朧とした意識の中、声にならない声で青年に助けを請う。





「助けて、か……」





青年は呟き、少女の身体に積もった雪を掃うとそっと抱き上げ、タンッと地を蹴り飛び上がった。





山頂の城を目指して―――――







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うわっ、短っ。他の小説に比べて短い・・・って、これくらいが丁度いいのかな?
うーん、うーん、と悩みつつ、失礼します。
ありがとうございました。



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