「んっ……」





柔らかなベッドの上、少女は目を覚ます。



……ここは?



視線を走らせるが、薄暗くてよく分からない。



私……途中で……ああ……助けてもらったんだっけ……天蓋付きの寝台……お金持ちなんだなー……



ぼんやり考えていると



「やっと起きた」



人の声。



ハッとして声のした方を向くと、窓際に少年が立っていた。



うわ〜綺麗な子……年は〜15・16歳くらいかな?



自分はどうなったのか、今何処にいるのか、目の前の少年は何者なのか、色々と考え心配する事があるのだけれど……



見とれてしまう。



天使……じゃないわよね



ジッと見つめていると、少年は気を悪くしたのかフイッと踵を返し出て行ってしまった。



「あっ、ちょっ……行っちゃった」



色々と聞きたいことがあったのに。



「どうしようかな」



誰かが来るのを待っていようか、それとも出て行った少年の後を追ってみようか。



しばらく考え……



「何処も怪我してないみたいだし」



他人の家を勝手にウロウロするのはどうかとも思ったけれど、誰も来る気配がないので失礼して歩き回ることに。



そっとベッドから下り、テーブルの上のランプを手に取って扉へと向かう。



チャッ



扉を引き、顔を上げると……







「きゃあっ!」







目の前に人が立っていた。



金髪の、優しそうな青年。



「っ、ごめんよ、驚かせてしまったね」



丁度部屋に訪ねて来たところだったらしい。



驚かせた事を詫びながら微笑んでくれた。



「あっ、いえ……」



少女は青年に、大丈夫です。と返し、部屋の中へと戻る。



人が来たなら歩き回る必要はない。



美形が立て続けに……



この人も綺麗。なんて考え、また見とれてしまう。



青年は、寒くない?今お茶淹れてるから待っててね。など、色々と少女を気遣いながら燭台に火を灯している。



「これでよし。これだけ明るければ大丈夫だよね?後は紅茶とケーキの用意!っと、そういえば雪の中倒れてたんだよね……
普通に食事の方がいいのかな?ね、どっちがいい?」



青年はニッコリ笑いながら話しかけてくる。



もうずっと、誰ともまともに話をしていなかったかのように。



「え、と、あのっ」



ボーッとしていた少女は慌ててしまう。



どっ、どうしよう



どっちがいいって……



言葉に詰まっていると










「アウイン……困っている」










男性の声が―――







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今回もヒロインさんのお名前がっ><。
す、すみません。次回こそは……
それでは、今回もありがとうございました。



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